法律事務所におけるファイル管理の目的とは?
~生産性を上げるポイントや作業効率について~

2022年07月07日

ファイル管理

法律事務所において顧客に関する情報の管理を適正に行うことは必要不可欠です。
事務所が大きくなるにつれて、ファイル管理を効率的に行う必要があると感じる事務所も多く、法律事務所経営で重要な問題となります。
このページでは法律事務所におけるファイル管理の現状や生産性を上げるためのポイントについてお伝えします。

法律事務所での顧客管理の現状について

法律事務所においてファイル管理を含めた顧客管理をどのようにおこなっているかの現状について確認しましょう。

法律事務所で管理すべきファイル

法律事務所で管理すべきファイルについては紙や現物ベースのファイルと顧客に関するデータを管理する電子ファイルがあります。
まず、顧客から契約書や証拠書類などを預かった場合には、顧客に返還する必要があります。
また、裁判所などから書類を預かったり、提出した書面の控えを受け取ったりしたものについて、必要に応じて現物を保管しておく必要があります。
さらに、弁護士がパソコンで作成した書類や、事務員・パラリーガルが作成した下書き・誤脱チェックをした書類などパソコン上で管理されるファイルもあります。
法律事務所ではこれらを保管し、必要に応じていつでも見られる・取り出せるようにしておかなければなりません。

従来からある紙のファイルベースの管理方法

従来からある紙のファイルをベースにした管理方法としては、案件ごとに事件ファイルを立ててファイルでの管理が挙げられます。
作成した原本や、職務上取得した書類、顧客から預かった書類を管理する必要があるので、どの事務所でもこのような処理をしているはずです。
そしてこれらのファイルは、事務所内に鍵のかかるキャビネットの中で管理されていることが通常で、事案次第では非常に分厚いファイルになってかさばる上に重いということも珍しくありません。
一方で、パソコン等で作成した電子ファイルについては、弁護士のパソコンや記録媒体、事務員のパソコンや記録媒体などだけで記録されていることも多く、すぐに見つからないということも珍しくありません。

従来からある法律事務所のファイル管理方法の問題点

このようなファイル管理でも十分弁護士業務を行えているうちは良いのですが、同時に進行する案件が増えると次のような問題が生じます。

ファイルがどこにいったかわからなくなる

手元で十数件程度保有しているだけであれば、ファイルを探すときに担当弁護士の事務所内のキャビネット・担当弁護士が現に持ち歩いていないか・弁護士の担当の事務員が持ち出していないか、を確認すれば見つかることもあるでしょう。
しかし、手元で取り扱うファイルの数・事務所全体で取り扱うファイルの数が増えると、そのファイルがどこにいったかわからなくなってしまうようなことも珍しくありません。
個人法務について大量の顧客を取り扱う場合、常時数百件の案件を管理する必要があり、ファイル番号順に管理しているような場合には、順番を間違えてしまうだけで事務所のファイルをすべてひっくり返して確認しなければならないようなこともあります。

ファイルの全部を常に手元に置いておけるわけではない

顧問や継続して依頼がある顧客との折衝になると、いくつものフォルダで管理していることも珍しくありません。
顧客と過去の案件について話をするにしても、ファイルを見なければ何も答えられないことも珍しくないのですが、過去の案件については事務所の中で管理もできなくなると倉庫に送ることもあり、その取り出しに時間がかかることもあります。

多くの人が関わる中でミスが起きる

電子ファイルについて、多くの人が関わる中でミスが起きて、新しい状態で管理できないということも珍しくありません。
例えば、弁護士が数名で共同して受任した場合で、弁護士数名・事務員・パラリーガルでそれぞれ裁判所に提出する書類についての電子ファイルがパソコンの中にある状態で、弁護士がそれぞれ自分で修正をして、あるいは修正の指示を出す、というような場合、どれが最新のものか電子ファイルが作成された日付を確認するだけでは判別できないようなこともあります。
そのため、作成された部分・変更の指示や実際に変更した部分などが反映されず、そのまま提出されるという可能性があります。

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法律事務所のファイル管理業務を効率化するポイント

法律事務所のファイル管理業務を効率化するポイントとしては次のようなものがあります。

書類の管理方法を統一しておく

書類の管理方法を事務所で統一しておきましょう。
書類の管理方法が担当弁護士・事務員ごとに違うようなことがあると、担当弁護士が変わった場合に、その内容を確認するのに問題が発生する可能性があります。
書類の管理方法を事務所の中で統一しておくことで、人為的なミスを減らし、多くの人が関わっても業務が混乱せずにすみます。

なるべく電子ファイル化する

顧客から預かる書類や裁判所の控えなどは、かならず現物を管理しておかなければならないので、紙や現物を管理するファイルは不可欠です。
しかし、それをそのまま管理しつづけると紛失する可能性もあり、効率的ではありません。
たとえば、預かった書類や裁判所提出書類やその控えを、スキャンして電子ファイル化しておくことによって、確認をする場合にはその電子ファイルを確認すれば良くなり、現物を動かす頻度を下げることが可能となります。

業務管理システム等を導入してファイル管理

業務管理システム等を導入してファイル管理を行うと管理の効率があがります。
書類などを電子ファイル化して、その管理方法について統一した上で、業務管理システムを利用すれば、効率的な管理が行うことができるでしょう。
例えば、電子ファイル化したファイルをクラウドストレージ上で管理すれば、事務所の外からでもいつでも書類を確認することができるようになります。

業務管理システムを使って電子のファイル管理を効率よく

以上のようなファイル管理については、業務管理システムを利用することで効率化できます。

一般的な業務管理システム

どの会社でも使えるような業務管理システムがあります。
利用者のカレンダーを共有したり、チャットを使ってコミュニケーションをとって、顧客情報をデータベース化しておけるようなもので、このシステムにファイルをアップロードしておいて、各種情報と紐づけてファイルを利用できるようになっています。

法律事務所に特化したシステム

法律事務所の運営をしやすいように業務管理システムを特化させたサービスもあります。
裁判期日の管理や顧問先への請求管理など、法律事務所の業務を想定したシステムを利用することで法律事務所の業務管理に適したもの。
法律事務所の日々の業務に沿った流れでファイルの管理がしやすくなっています。
法律事務所に特化した顧客管理システムにはさらに次の2種類があります。

自社で構築したシステム

システムエンジニアを雇用したり、外部に委託することで、事務所の業務にあわせたシステムの構築をするケースです。
きめ細かいシステム構築が可能になるのですが、1から作って自社で維持する必要があり、コストがかかるというデメリットがあります。
大規模に個人法務を受任するような法律事務所ではメリットになります。

クラウド型システムを利用する

クラウド型のシステムを利用するケースです。
すでに開発されたシステムを利用するのでコストが低くすむので、事務所の規模に応じた利用が可能です。
クラウド型はインターネットへの接続によって利用するので、事務所にいなくても出先・自宅などから利用することが可能で、業務効率が上がります。

まとめ

このページでは、法律事務所のファイル管理についてお伝えしました。
法律事務所でおこなわれているファイル管理の現状や問題について、現状を把握しつつ効率よく管理するための方法についてお伝えしました。
ロイオズは法律事務所に特化した業務管理システムで、ファイル管理を含めた効率的な事務所運営に寄与します。
導入については是非一度ご相談ください。

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